[speech position="左" name="アツシ" content="こんにちは、一級建築士の永田です。
私は日頃から、今まで体験したことのないような空間体験を実現できるような建築を常に考えています。"] 

そんな弊建築事務所に、なんと「あの方」からご依頼がありました。

かの有名なAmazonの創業者で、世界の富豪ランキングでトップを誇るジェフ・ベゾス様からです。

ええ、誰もが嘘だと思うでしょう。私も嘘だと思っています。というか、嘘なんじゃないでしょうか。

なんせ、まさか、そんなお方から設計の依頼をいただけるとは。真面目に仕事を続けているとこんな日も訪れるんですね。安心してください。気は確かです。

さておき、こちらがベソス様の要望をまとめたヒアリングシートです。

ベゾス様はバーにご執心のようです

先ほど、ヒアリングシートとは言いましたが、一点だけ留意点がありました。

うちの建築設計事務所では、お客様の潜在的な欲求を満たすような建築をお届けするため、あえて本人に直接ヒアリングをしない方針を採用しています。なので、もはやヒアリングシートではありません。

したがって、徹底的な身辺調査を行った上、性格・趣味・過去の言動などからベゾス様が今、絶対に欲しいであろう建築をプレゼントさせていただきます。

さて今回、ベゾス様にプレゼントしたいのは「理想のバー」。

バーを選んだのは、ベゾス様の過去の発言からの推測です。

2017年のインタビューで、「もしジェフ・ベゾスではないとしたら、何をしていたか？」という質問に、ベゾス様は「バーテンダーだったらという妄想もあるんだよ。私は自作のカクテルに自信があるからね」と語ってらっしゃいました。

ベゾス様のご自宅に、自慢のカクテルを存分にふるまえるバーがあればと思い、ワタクシ永田が「スペシャルなバー」をご提案させていただきます。

倹約家ベゾス様のために施したさりげない優しさ

バーのテーブルの大きさは6～8人用にしております。
ベゾス様がおっしゃられている「2枚のピザで賄える人数でのコミュニケーションが最も有意義なものになる法則」もちろん、わきまえております。

また、シアトルのAmazon本社のように、室内は緑あふれる空間としております。緑はストレスを軽減させ、よりクリエイティブにしてくれる効果があるとのこと、私も同感です。

そして、何よりも今回私が心がけたのが、費用を抑える点です。

ベゾス様は「自分が贅沢をするくらいなら、少しでも顧客の満足度を高める方に使いたい」と言うくらい、倹約家でいらっしゃいます。
Amazonの社訓にも、｢倹約の精神は創意工夫、自立心、発明を育む源になります。｣とありますよね。
また、Amazonの新入社員に用意されるのは、ベゾス様と同じドア用の合板木材で作られた簡素なデスクだとも聞いております。徹底的ですね。

以上のように、ベゾス様の情報は山のように出てきました。
その中で、本当にベゾス様が実現したいと思える場所とは何なのか、ひたすら思考を重ね、完成したのがこちらの建築です。

世界一の在庫数を誇るバー体験

まず立地ですが、ベゾスさまがいつでも本社からバーに通えるよう、ワシントン州ケント近くに設けました。

目をつけたのが、Amazonの倉庫です。
そう、私が考えたベゾス様の理想のバーは、Amazon倉庫内にあるのです。

なぜ、わざわざそのような場所にバーを作るのでしょう？

もちろん倹約家のベゾス様への配慮もあります。新しく土地と建物を購入するのではなく、今あるストックを利用できればと思いました。
ならば、Amazon倉庫のほとんど使われていない大きな多目的部屋をバーにしてしまえばいいのではないかと。

しかし、建設費の削減だけではありません。Amazon倉庫にバーを隣接させたのはもっとスペシャルな理由があるのです。

さて、この図が何を意味するか、お判りでしょうか？

そう、ドローンです。
Amazon倉庫からドローンが直接お酒をデリバリーする「世界一の在庫数を誇るバー」を実現させたのです！

Amazonはドローンを使った空の配達サービス｢Prime Air｣を年内に開始します。
現実的には、ドローンが外を自由に飛び回れるよう、法律が緩和されないと、なかなか普及しないサービスなのですが、今回は建物の中なので、安全にいち早く実現できます。

このバーでは、各テーブルから、Amazon Echoで希望のお酒を音声注文し、各テーブル専用のドローンが、Amazon倉庫からお酒を直接デリバリーします。
そして、テーブルに到着したお酒はベゾスさま自らがブレンドし、カクテルを完成させるのです。

世界中のお酒やおつまみを注文し放題。送料はかからないし、Amazonポイントは溜まっていくし、ベゾスさま・お客さま・Amazonの三方よしを実現させたバーです。

また内装は、段ボールを再生して、古紙パルプから作られた内装材で仕上げています。
Amazonは大量の段ボールを必要とする業界ではありますが、中国が古紙の調達先をアメリカから日本に変えたため、アメリカでは大量に古紙が余っています。
環境配慮のため、段ボールの再利用を促すためにも、積極的に再生品を使用しています。

まとめ

さて、ベゾス様にお届けしたいスペシャルなバー、いかがでしたか？

今回のベゾス様の提案は、徹底的な身辺調査によって、自然と提案の方向性が決まっていきました。もしこの建築が実現できれば、下記のように、

・大幅コスト削減

・世界一の品揃え
・室内ドローンバーの実現
・段ボール問題解決
・アマゾン売り上げアップ。

少なくとも一石五鳥のメリットが実現します。

ベゾス様、いかがでしょうか。今回は、限られた時間の中での提案だったため、今後は、より提案内容を深め、３Dイメージ等を作成することもできます。是非、ご検討ください。

はい。そして、続報です。

弊建築事務所、何やら次もあの大物から依頼がありました。
あの大富豪ビル・ゲイツ様です。次はゲイツ様の理想を叶える建築をプレゼントしたいと思います。安心してください。弊建築事務所、気は確かです。

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