NoMaDoS

一級建築士事務所

機械とともに「自律」する街

NoMaDoSが空想と妄想のみで作り上げる、未だ見ぬ未来の建築「新世界建築」。
今回は、第二作目「機械とともに『自律』する街」。

ある日、ヴェネツィアの海を回遊し続けるナノマシンが街と融合した。
建築物にプログラムが溶け込み、街が人を導くようになったとき。
人は、生活は、一体どこへ向かっていくんだろう。

「建築」は建築物だけにあらず
新世界な「街」の設計に込めた想いやこだわりを、NoMaDoSメンバーが語ります。

ほのぼのとしたポストヒューマニズム世界

ーこの街はどういう発想で生まれた?

 [speech position="左" name="でんでん" content="「菌みたいに増殖する建築って面白そうだ!」ってところから始まったんですよ。ただ、どこか「リアルじゃないなぁ」という気持ちもあって、たどり着いたのが「ナノマシン」でした。まぁ、ナノマシンがリアルなのかというツッコミもありそうですが(苦笑)。
考えたのは、ポストヒューマニズムの視点で、人間が機械を操る時代から、機械が人間の生活へ作用していく時代への変化というテーマですね。
ただ、そのテーマは通例的にディストピアとして描かれるじゃないですか。でも、メンバーが全会一致で「ディストピアは飽きた!」と言うので、ほのぼのとした世界観を描けないかと思い、今回の新世界建築が生まれた感じですね。"] 
 [speech position="左" name="ふみちゃん" content="ナノマシンは人に危害を与えようという意思を持っているのではなく、善意あるイタズラをしようと頑張っています。お茶目なイタズラに満ちた世界を想像しながら描くのは非常に楽しく、こんなことを言うと引かれそうですが、深夜に一人でクスクス笑いながらペンを動かしていました。急にぽよぽよと地面が盛り上がって軽く吹っ飛ばされている人がいたり、雀卓が現れてゲームをさせられている人がいたり、隅々まで小ネタが仕込んであるので、ぜひ楽しみながら見てほしいです。"] 

「流体」で建築を発想する

ー内観はどういうイメージで作ったんですか?

 [speech position="左" name="ふみちゃん" content="流体で建築が形作られれば、家という器に家具を置く必要はなく、物を置くのに必要なくぼみや、座るのにちょうどいいでっぱりが有機的に現れるようになると思います。痒いところに手が届きすぎて少しだらけている青年の家をイメージしました。"] 
 [speech position="左" name="でんでん" content="実は、今回のキャラクターには裏話があって。コンテンツ完成の直前まで、もう一人女の子のキャラクターがいたり、彼らが登場する小説があったりしたんですよ。でも、大人の事情で非公開になって悔しいので、いつかTwitterとかにアップしようと思っています。"] 

「建築設備を持ち運ぶ」という発想の転換

ーこの設備はどういう発想で生まれたんですか?

 [speech position="左" name="りょうちゃん" content="まず、ナノマシンによって予測もつかない変化を起こす街や建物に、固定の設備はあり得ない!というのが直感でした。じゃあ、もう設備自体を持ち運んで、自分自身の過ごす快適な環境ごと持ち運んでしまえ!というアクロバティックなことをやっちゃいました。
現代でもポータブルの加湿器があるんだから、将来的にはポータブルエアコンみたいなのがあってもいいのでは?と考えたのが着想のきっかけですね。
推しポイントは、一つの設備の中に空調・衛生・電気のすべての設備が一体となっている点と、室外機と室内機をイメージして上下で機能を分けた点です!"] 

 [speech position="左" name="りょうちゃん" content="いろいろな使い方を考えることで、よりイメージ感がわくと思います。
ナノマシンの街の形態変化に合わせて、自分で居心地が良かったりする場所を探し、場所に自分たちを合わせていく生活ですね。
自由に環境を運べるので、なんでもできるはずなのですが、ナノマシンの街という制約があることで、それぞれが面白い環境順応方法を編み出していくのが特に面白いです。"] 
 [speech position="左" name="でんでん" content="今回の新世界建築は、ほとんどこの設備の発想で成り立っているといってもいいくらいのコンテンツだと思いますね。
設備については、陰から建築を支えている地味な存在のように捉えられることもあると思いますが、これを見ると全然そうじゃないことに気づく。
設備自体を持ち運ぶ」という発想自体がかなりセンセーショナルですけど、ハイテク化した世界なのに、持ち運びの不自由さがある点が、テクノロジーのリアルを感じられて、キュートだと思いました。30年前の携帯電話みたいな(笑)"] 

アップデートし続ける新世界マップ

NoMaDoSは、新たな世界を建築し続けています。のぞいてみれば、あなたの世界も変わるかも?

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