NoMaDoS

一級建築士事務所

プラスチックで3Dプリントした家

NoMaDoSが空想と妄想のみで作り上げる、未だ見ぬ未来の建築「新世界建築」。
今回は、記念すべき第1作目となる「プラスチックで3Dプリントした家」。

人類が月と地球の2つに分かれて暮らし始めた、そんな世界の過渡期に地球で生きることを決めた人類の姿を描き、彼らが暮らす建築を作りました。

制作に携わったメンバーが、今回の建築に込めた思考のプロセスとこだわりを語ります。

「地球と月と環境問題」から生まれる建築

ーこの建築はどのような発想で生まれた?

[speech position="左" name="ふみちゃん" content="少子高齢化・人口減少で建築業界も人手不足(特に職人不足)が深刻な状況なので、3Dプリントによる無人建設はリアリティのあるテーマだと思っていました。
海の上で潮に乗って集まってきてしまうゴミを使って建築を作れば、ギルティフリーな感じで共感を得やすいのでは?って感じたところからスタートしました。"]
[speech position="左" name="でんでん" content="すでに海外では3Dプリンタを用いた建築の事例がポツポツと見られ始めています。今回は既存の海外事例から離れて自由な発想をするために、フミさんたちが作り上げたビジュアルを起点にイメージを膨らませて世界観を構築していきました。"]

[speech position="左" name="でんでん" content="「3Dプリンタ」や「廃プラスチック」という言葉を聞くと、どこか無機質な印象を受けると思うんですが、出来上がったビジュアルは、温かみがあって柔らかさが感じられるものだったんです。
そこで、注目したのは、3Dプリンタ建築の持つ「低価格・高速施工・多様な形状」といった機能的・ビジネス的な特徴よりも、哲学や思想を持った建築としての美しさです。
なので、世界観に関しても、具体性は持ちながらも建築に関連する自然・社会・人々の設定を観念的・思想的なテーマでくくれないかなと考えました。"]

アパレルショップという建築

ーアパレルブランドにした意図は?

[speech position="左" name="でんでん" content="廃プラスチックを起点に想像すると、「人間の行動による自然変化、それに対してフラットかつ静かに抵抗する小さな社会」というイメージが湧いてきました。アパレルに焦点を絞ったのは、自分が学生時代にフェアトレード関係の学生団体に所属していた経験からです。「アパレルと社会問題」という切り口が、今回のイメージと親和性があるのではないかと思って。

切り口をメンバーに伝えた際に、「それだったら、この建築自体、そのアパレルのショップになってて、居住者はブランドのオーナーにしちゃえばよくない?」という発想が出てきて、そこからは各メンバーが盛り上がって、どんどん設定を詰めていった感じでしたね。
「実際に、このアパレルブランドの服とか作ってみたいね!」とかって意見も出たり(笑)。"]

ー内装のこだわりは?

[speech position="左" name="ふみちゃん" content="建築全体の外皮の構成要素が少なくシンプルな形なのですが、同時にすごく特徴的な形なので、内部空間をどう合わせるかは悩みました。
外壁と同じデザインコードで作ることもできますが、折り紙のような外観を際立たせるために、あえて内部は曲線による柔らかいデザインにしました。
照明でもあり、洋服を掛けるためのバーでもあり、オブジェのようでもあり。パッと見て、直感的にわくわくする形を目指しました。
実は、図になってないのですが、服をかけるハンガー自体もデザインしていて。三角形のフレームの上部に小さな磁石がついていて、磁力によってハンガーパイプにくっつく仕組みです。
あとは、トイレの仕切りとか、試着室のカーテンとか、パースにない部分ですが実は細部まで検討しています。"]
 [speech position="左" name="りょうちゃん" content="服をかけてるハンガーが光って照明になってたらいいなと思って設計しました。「面白そう!」という視点から設備を考えられて、いつもとは違う設計プロセスを満喫しましたよ"]


世界観に現実味を持たせる設備

 [speech position="左" name="りょうちゃん" content="空調に関しては、現実にある輻射設備をベースに実現可能性を考えながら、妄想を組み合わせました。「3Dプリンタで作る壁に配管とかダクトが一体化したらどうなるんだろう?」とワクワクした気持ちを技術に落としこみ、建築と設備の融合を図りました!"]

 [speech position="左" name="りょうちゃん" content="「どうやったら水を作れるか?」を考えましたね。スペックなどの細かい部分は非現実的な部分もありますが、海水をろ過して水を作るシステムは現実に存在するので、より実現可能なアイディア創出につなげました!"]

 [speech position="左" name="りょうちゃん" content="水回りの設備と同じく、太陽光発電システムが現実に存在するので、そこをヒントに電気を作る仕組みを考えました!海水をろ過する過程で、補助的に電気を作れればという想いも込めています。"]

アップデートし続ける新世界マップ

NoMaDoSは、新たな世界を建築し続けています。
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