【背景】
築33年のRC壁式構造の団地は、階高2600mm、天井高2350mmの典型的な階高圧縮型の建物であり、壁式構造ゆえに、大きな梁が部屋を分断してしまっていました。
建物の構造体に埋め込まれた配線は、容易に位置を変更できないため、長年の暮らしの変化によって、エアコンの増設・IHの導入・給湯器の更新・テレビの位置変更等に伴い、多くの配線が室内に露出せざるを得ない状況でした。
【こだわりポイント】
部屋を大きく分断していた梁下1850mm、梁背450mmの既存の梁の存在感をカモフラージュするように、建物の構造体に沿わせて、梁に模した設備スペースを住まい全体に廻らせることとした。
自由な配線計画が可能になりながらも、梁は人の動線に干渉しない為、施主の要望に合わせた自由な計画を実現した。
梁の中には電気配線、照明配線、テレビ線、電話線、空調ダクト、プロジェクターが入っている。
梁は、設備スペースとしてだけでなく、空間のアクセントとして統一感をもたらし、広がりを感じられる要素として、住まい全体を再構築した。
【物件概要】
主 用 途 :専用住宅
所 在 地 :埼玉県三郷市
延床面積 :98.39 ㎡
所在階:1階
構 造:壁式鉄筋コンクリート造
【プロジェクトメンバー】
意匠設計:NoMaDoS / 永田敦
設備設計監修:NoMaDoS / 高橋良輔
施工:株式会社和工務店
写真撮影:山内紀人写真事務所(※は永田が撮影)