【背景】
岩手県洋野町への窓口を作る活動を展開する、一般社団法人fumotoによる展示「風土 あしもとの風景をつなぐ展」の展示什器と会場構成のプロジェクト。
キュレーションは合同会社ホームシックデザイン。
与件として、ソリやヘルメット、蓑など、かつての洋野町の営みが感じられる実物の民族資料をはじめ、歴史資料となった写真やポストカード、パンフレットなど、多様な展示物を整理しつつ、並べること。
また、巡回展を想定して、会場ごとにフレキシブルに並べ替えることができ、解体、組み立てが容易であることを目指し、計画を進めました。
平面展示物のポスターは、展示作品・コンセプトと結びつく、日本古来からあるヒモ蝶番を用いた屏風型の木製のフレームに掲示し、単体で自立するように設計しました。
箱型の展示台は、合板に溝をつけたシンプルな構造で、板と板を組み合わせることで簡単に組み立てたり解体したりすることができます。
【こだわりポイント】
・展示コンセプトや展示品との親和性から、ヒモ蝶番を用いた什器。フレームの左右に梁を渡すことで、吊り下げ式の展示物にも対応。
・巡回展を想定した、折りたたみ可能なポスタースタンド。
・アクリルケース型展示台も簡単な溝による接合部の脚で、工具無しで設営、解体が可能。
・展示台は一般流通材から端材が最小限になるように設計し、コスト縮減を最大化。
【物件概要】
主 用 途 :展覧会
所 在 地 :岩手県盛岡市
会場面積 :106.1㎡
開催階 :地下1階
素 材:杉材、ポリ合板、クレモナ金剛打ち(生成り)、アクリル板
【プロジェクトメンバー】
意匠設計:NoMaDoS / 吉川尚哉、千葉光
施工:ミウラカンバン
写真:吉田健太郎写真事務所